この記事では、障がい者雇用枠での求職活動を進めてく上で知っておくべき事を解説します。
病気(障がい)をオープンにするという意味から、オープン枠という言い方もします。うつ病で精神障害者保健福祉手帳を取得しているような場合であれば、病気をオープンにして就職活動をする事で、病気(障がい)に理解が得られる企業と出会える事もあります。結果として、適切な支援を受けつつ仕事を続ける事が可能になります。
そこで、障がい者雇用に関する事、実際に求職活動していく上でどのような手段があるのかについて解説しています。
この記事では、障がい者雇用枠で求職活動をしていく上で、知っておくべきこと、ハローワークでの手続き関連、求職活動の手段について、網羅的に解説しています。それぞれの詳細については、別記事で解説しています。
障がい者雇用枠での求職活動って、通常の求職活動と何が違うの?
障がいをオープンにするという意味から、オープン枠という言い方もあるんだ。それに対して、障がいをオープンにしないというのは、クローズ枠とも言うんだ。
違いというか、一番の特徴は、病気や障がいに理解が得られる企業に出会えるってことだね。このような企業からだと、障がいがあることによる配慮を受けられるんだ。
病気や障がいに理解のある企業って、実際どのくらいあるの?
そもそも、一般的に、企業には法定雇用率以上の障がい者を雇用する義務があるんだ。これは、障害者雇用促進法という法律で定められているんだよ。
まずは、この点から解説していくね。
障がい者雇用について
まず、障がい者雇用について、法定雇用率を中心に解説します。
障害者雇用促進法という法律にて、企業には法定雇用率以上の障がい者を雇用する義務があります。法定雇用率は、民間企業だと2.3%になります。これは、従業員数45.5人に1人という割合になります。参考までに、以下に事業主区分毎の法定雇用率を示します。
事業者区分 | 法定雇用率 |
---|---|
民間企業 | 2.3% |
国、地方公共団体等 | 2.6% |
都道府県等の教育委員会 | 2.5% |
具体的な例としては、従業員数が1000人の場合、会社は障がい者雇用として23人を雇用する義務があります。従業員数が40人程度の小企業であれば1人となります。
法定雇用率って、どのくらいなの?
民間企業で2.3%になるよ。つまり、従業員1,000人の企業に対しては、23人の障がい者雇用が義務づけられているんだ。
従業員1,000人って結構大規模な企業だよね。
そうなんだ。そのため、障がい者雇用枠で求職活動するのは、実は大企業に就職出来るチャンスでもあるんだ。
逆に、中小企業に就職っていう選択肢はないの?
そんな事はないよ。ただ、従業員数45人の規模で、たった1人になってしまうんだ。
そう考えると、社内でたった1人だけより、大企業で同じような境遇の人が多い方がいいよね。
そうだよね。ということもあって、中小企業よりは大企業の方が、病気や障がいに理解を示してくれるところが多いんだよ。
それに、障がい者雇用に力を入れているような企業は、病気や障がいに理解があるもんだよ。
ちなみに障がい者の中には、精神も入るんだよね。
実は、以前は精神障がいは対象外だったんだ。それが、平成30年4月に、精神障がいも対象になるようになったんだ。なので、精神障がいも対象になったのは、割と最近のことなんだよ。
障がい者雇用というものにあまり前向きになれないという方も多いと思いますが、実は大企業に就職出来るチャンスは大きいのです。
ハローワーク
ハローワークでの手続き関連について解説します。
障がい者雇用枠での求職活動をするに当たっては、ハローワークでの手続きが必要になります。もし、これまで失業給付の受給期間延長をしていた場合は、延長解除をする必要がありますが、手続きとしては同時に出来ます。
ハローワークにて失業給付の手続きをする際に、精神障害者保健福祉手帳を所有している旨を伝えると、専用の窓口に案内されます。そこで、窓口スタッフの指示に従って手続きすれば大丈夫です。
この手続きをする事により、障がい者雇用枠での求人検索や窓口相談の利用が可能になります。
障がい者雇用枠で求職活動をしていくためには、どうすればいいの?
ハローワークで求職申込をする際に、障害者手帳を持っていることを伝えれば、専用の窓口に案内されるよ。あとはスタッフの指示に従えば大丈夫だよ。
一般的な相談窓口とは違うんだ?
ハローワークにもよるんだけど、一般的な離職者向け、障がいのある方向け、60歳以上の方向け、早期退職者向けと、窓口が分かれているケースが多いんだよ。それぞれ、役割が異なるからなんだ。
障がい者雇用枠での求職活動をする場合、ハローワークの求人から応募するに当たっても、主治医の意見書というものがないと紹介してもらえないんだ。その他に、失業給付の給付日数が長くなったり、失業認定日までの求職活動は1回でよかったりと、異なる面もあるんだ。
また、障がい者雇用枠での求職活動をする場合、失業給付の受給期間が通常より長くなります。また、失業認定日までの求職活動実績は、通常では2回必要ですが、これが1回になります。
このように、障がい者雇用枠での求職活動をする事は、メリットも多かったりします。
詳細につきましては、別記事にて解説します。
応募書類の作成
履歴書、職務経歴書の作成について解説します。
応募書類については、求職活動を始めたら、早めに作成しておく事をお勧めします。と言うのも、いい求人があって応募したいと思った時に応募書類を慌てて準備するというのは、精神的にも悪いですよね。
応募書類には、履歴書と職務経歴書があります。
履歴書には、学歴、職歴、資格といったものは勿論ですが、障がい者雇用枠での応募の場合は、障がいの内容と、必要な配慮事項を明記しておく必要があります。
職務経歴書には、職歴を要点を絞って記載し、その中から自分のアピールポイントを記載します。
履歴書や職務経歴書といった応募書類も、障がい者雇用枠だと一般と異なったりするの?
履歴書は、障がいの内容や、それに伴う配慮事項を記入する欄があるフォーマットが必要になるよ。職務経歴書は、特にフォーマットの定めはないよ。
これらの書類は予め作成しておき、求人応募時には志望動機や応募先企業に合わせたアピールポイントを書く事に専念すれば、時間の有効活用にも繋がります。
詳細につきましては、別記事にて解説します。
転職サイト
障がい者雇用に特化した転職サイトについて解説します。
求職活動はハローワークでないと出来ないという訳ではありません。インターネット上の転職サイトを利用するのも1つの手段です。
転職サイトの中には、障がい者雇用に特化した転職サイトもあります。このようなサイトに会員登録しておき、履歴書や職務経歴書に記載した内容を登録しておくと、インターネットで求人検索から応募までする事ができます。求職活動を開始して、応募書類もひと通り作成したら、会員登録しておく事をお勧めします。
求職活動って、ハローワークでないとできないの?
そんなことないよ。障がい者雇用に特化した転職サイトや転職エージェントもあるよ。これらを利用する事で、求職活動の幅を広げる事ができるよ。
詳細につきましては、別記事にて解説します。
転職エージェント
障がい者雇用に特化した転職エージェントについて解説します。
転職エージェントサービスとは、転職を希望する人と、人材を探している企業の間に入って、転職を支援してくれるサービスです。この転職エージェントですが、障がい者雇用に特化した転職エージェントサービスもあります。
このようなサービスを利用する利点としては、ハローワークや転職サイトには掲載されていないような、いわゆる非公開求人と言われるものに応募する事が可能になります。転職エージェントサービスを利用する事で、求職活動をしていく上での選択肢が増えます。
詳細につきましては、別記事にて解説します。
障がい者向け就労移行支援の利用
障がい者向け就労移行支援施設について解説します。
精神障害者保健福祉手帳を取得して、病気をオープンにして求職活動をすると言っても、なかなか1人で行うのは難しいものです。普通に求職するのも難しいのですが、障がい者雇用枠となると、それ相応の対策が必要になります。
求職活動するってなると、一般でも大変なのに、障がい者雇用枠ってなると、わからないことが多くて、1人でできるか不安だよ。
そういう方には、障がい者向け就労移行支援施設を利用するという手もあるよ。
このようなシーンで利用を検討してみたいものが、障がい者向け就労移行支援施設の利用になります。
就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスのひとつです。病気(障がい)がある方が就職したいと考える際に、必要となるトレーニングを受ける事が主となりますが、この中で就職活動をする事もできます。履歴書や職務経歴書の添削から、面接対策もできます。
就労移行支援施設って、どういうところなの?
就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスなんだ。就職に向けたトレーニングを受けたり、その中で求職活動も行っていくことができるんだよ。
また、企業から就労移行支援施設に、職場実習を兼ねた求人がくるような場合もあります。
詳細につきましては、別記事にて解説します。
資格取得、スキルアップ
資格取得、スキルアップとするための手段について解説します。
応募書類を作成したり、実際に求人検索をしていると、自分にアピール出来るようなスキルがないとか、もっとこういうスキルがあればいいのにって思う方も多いと思われます。一番わかりやすいのが資格取得ですが、受験スケジュールと求職スケジュールが合わないといった事もあるでしょう。
この機会に、スキルアップを図る事をお勧めします。業務での経験はなくても、実際に勉強して、このようなスキルがあるという事をアピール出来ます。
他に、求職活動をしていく上で、こういうことをやった方がいいものってあるの?
例えば、資格取得とか、スキルアップとかになるかな。履歴書に書いてアピールもできるよ。
資格取得にスキルアップって、具体的にどうやって勉強するのがいいの?
オンラインスクールや、通信教育を利用するという手があるよ。こういうのって、独学だと難しかったりするから、こういった手段を利用する方がいいよ。
方法としては、オンラインスクールの利用、通信教育、書籍を読むといった事が一般的です。
詳細につきましては、別記事にて解説します。
終わりに
障がい者雇用枠での求職活動を進めてく上で知っておくべき事をについて解説させて頂きました。
一般的な求職活動とは異なり、障がい者雇用枠特有の事がありますので、結構大変だなって思われた方も多い事でしょう。しかし、それぞれが大切な事です。この記事では大枠を記載していますので、それぞれの別記事を参照して、自分の中に落とし込んでみて下さい。
実際に求職活動をしていくのって、結構大変なんだね。
一般的な求職活動も大変だけど、障がい者雇用枠となると、それ相応の対策が必要になるから、意外と大変なんだよ。
ただ、この記事で解説したのは大枠の部分なので、それぞれの詳細については、別記事も合わせて読んでみて下さい。
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