うつ病を始めとする精神疾患は、治療が長期にわたる事が多いです。また、転職したとしても、病気が原因で再び働けなくなるといったリスクもあります。
そこで提案したいのが、精神障害者保健福祉手帳を取得するという事です。何それ?って思われるでしょうが、言い換えますと障がい者手帳の事です。
いやいや、障害者手帳だなんて、そんな大げさなって思う方も多いと思われます。しかし、これによって、企業の障がい者雇用枠での転職という選択肢も出てきます。障がい者雇用であれば、病気の事をオープンにして、それによる必要な配慮を求める事も可能になります。
この記事では、精神障害者保健福祉手帳について、どのような場合に取得出来るのか、それによるメリット、デメリットを解説していきます。
この記事では、精神障害者保健福祉手帳について、どのような場合に取得出来るのか、精神障害者保健福祉手帳を取得していることのメリット、デメリットについて解説しています。
うつ病などの精神疾患になると、治療が長期にわたったり、良くなったと思っても再発したりと、何かと不安が多いんだよね。
このような病気だと、なかなか完治というのが難しいという実情があるんだよね。
転職したとしても、また働けなくなってしまうというリスクもあるよね。
仕事をしていく上でも、病気としっかり向き合って、コントロールしながら続けていく必要があるよ。
でも、病気を理由に転職先が見つからないなんということもあるのかな?
病気が原因で退職した場合だと、そのまま転職活動したとしても、「この人は病気で退職したのか。大丈夫なのかな?」って思われてしまうものなんだよ。
何かいい方法はないのかな?
そこで提案したいのが、精神障害者保健福祉手帳を取得して、障がい者雇用枠で求職活動をするということなんだ。
精神障害者保健福祉手帳について(障害者手帳)
まず、精神障害者保健福祉手帳について解説します。
精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障がいの状態にあることを認定するものです。精神科を受診してから6ヶ月以上精神障がいの状態にあり、日常生活または社会生活に何らかの制約がある場合であれば、医師の診断書と添えて市役所等で申請すると発行されます。障害の程度が重い順に、1級、2級、3級となっており、等級は審査により決定されます。
精神障害者保健福祉手帳ってどういうものなの?
わかりやすい言い方に変えると、障害者手帳のことだよ。
えっ、障害者手帳?何か大げさすぎない?
いやいや、病気が長引いているような場合だと、医師の診断書を添えて市役所等に申請すれば、取得することができるんだよ。別に大げさなことでも、特別なことでもないんだ。
でも、障害者手帳を持つって、自分が障がい者になってしまうんでしょ?それって、やっぱり特別なことのように思えるし、周囲の見る目とかも気になってしまうよ。
周囲の目が気になるって気持ちもよくわかるよ。でも、障害者手帳を持っていることで、いろいろといい面もあるんだ。
その前に、どういう人が障害者手帳を持てるのか教えてくれる?
精神障害者保健福祉手帳、いわゆる障害者手帳は、精神科を受診してから6ヶ月以上精神障がいの状態にあって、日常生活や社会生活に何らかの成約があるような人が対象になるんだ。
かみ砕いて言うと、6ヶ月以上精神科を受診していて、体調が安定しないという人が対象になるってことだよ。
うつ病などの精神疾患だと、6ヶ月で安定するなんて、なかなか難しいんじゃない?
そうなんだよね。そのような人は、障害者手帳を取得する条件を満たしているってことなんだよ。
この一定程度の精神障がいについてですが、うつ病を始めとする精神疾患の場合は、多くが長期にわたる治療となりますので、それにより医師が必要と判断した場合には条件を満たす事になります。実際に手帳交付の対象になるかどうかにつきましては、医師と相談してみて下さい。
手続きの流れ
精神障害者保健福祉手帳を取得するまでの流れについて解説します。
手続きは、申請の手続きと、交付の手続きの2回にわたって行われます。
申請時は、市役所等に行って、精神障害者保健福祉手帳申請書と、医師の診断書を提出すると、控えが渡されます。
交付時は、申請から1~2ヶ月位で、審査の結果が郵送されてきます。これを持って、再び市役所等に行きます。この際、手帳に貼る写真(縦4cm×横3cm)も用意する必要があります。市役所等では、手帳に写真を貼り付けて、渡されます。
精神障害者保健福祉手帳には有効期間が2年となっております。継続して手帳の交付を受ける場合は、改めて医師の診断書と、精神障害者保健福祉手帳申請書を提出して、改めて審査して等級が決定されるという流れになります。
精神障害者保健福祉手帳取得のメリット
精神障害者保健福祉手帳を取得するメリットについて解説します。
精神障害者保健福祉手帳を取得する場合のメリットとして、以下のようなものがあります。
- 所得税の控除
- 住民税の控除
- 携帯電話利用料金の割引(ドコモ、au、ソフトバンク)
- NHK放送受信料の免除(障害の等級による)
- 公共交通機関(お住まいの市内でバスの利用が無料になる等)
- 映画館(映画が1,000円で見る事ができます)
- 駐車場(割引有無と割引額は場所によって異なる)
- カーフェリー(旅客運賃の割引)
- 娯楽施設の割引利用
その他、色々と割引が受けられるサービスが意外と多いです。詳細につきましては、以下のサイトを参考にしてみて下さい。尚、下記サイトは、精神だけでなく身体の障がいに限定された内容も含まれています。下記サイトからのリンク先も参考にするようにして下さい。
そして、就職活動をする上で重要な事として、以下の事があります。
- 障がい者雇用枠での求人応募
- 失業給付の給付日数が長い
障害者手帳を持っているメリットって、どんなことがあるの?
就職活動をしていくうえでは、障がい者雇用枠での求人応募か可能になること、失業給付の給付日数が長くなることだね。
障がい者雇用枠って、また何か大げさな話になってきた気がするよ。
そんなことはないよ。障がい者雇用枠で働くということは、障がい、いわゆる病気のことを理解してもらえて、そのために必要な配慮を受けながら働くことができるというメリットがあるんだよ。
障がい者雇用って、例えば車椅子を使っているから、バリアフリーな環境で働きたいとか、そういうことに目がいきがちだけど、うつ病などの精神疾患でも該当するようなケースもあるの?
もちろんあるよ。こういうことが原因で体調を崩しやすいから、こういった業務は控えたいとか、疲れやすいため業務量を7割程度にして欲しいとか、これは人によって異なるけどね。
失業給付の給付日数についてはどうなの?
障害者手帳を持っていて、障がい者雇用枠での求職活動をしていく際に、失業給付を受給することになるんだけど、この給付日数が通常より長くなるんだよ。
障がい者雇用枠で就職活動をするといったことを考えれば、持っていて損はないんだね。
それ以外にも、障害者手帳を持っているメリットはたくさんあるよ。例えば、所得税や住民税の負担が軽減されたり、携帯電話料金の割引があったり、映画を1,000円で観ることができたり、他にも娯楽施設の利用で割引を受けられる所もあるよ。
映画1,000円で観られるのは嬉しい。
これらにつきましては、別記事にて解説します。
精神障害者保健福祉手帳取得のデメリット
精神障害者保健福祉手帳を取得するデメリットについて解説します。とは言いますが、基本的にデメリットはありません。敢えて言えば、という点について解説します。
多くのメリットを挙げましたが、デメリットはないのでしょうか?
基本的には、ありません。
もしあるとすれば、周囲の人、特に家族からどのような反応があるか、といったところでしょうか。
精神障害者保健福祉手帳を取得するデメリットって、やっぱりあるんだよね。
そう思うでしょ。でも、基本的にはないんだよ。
えっ、本当に?周囲の見る目とかデメリットにならないの?
敢えて言うなら、その程度のことだよ。
その程度って、それが結構気になるんだよね。
でもね、病気のことを理解してもらうのと、障害者手帳を持っていることを理解してもらうのは、イコールになるんだよね。
言われてみればそうだね。とは言え、どっちも理解してもらうのが大変そうだな。
うつ病などの精神疾患もそうだけど、障害者手帳を持っているということについても、まだまだ世間的に浸透しきってないという現実もあるからね。
病気や障がいに対しての認知度が世間的に広まってくれると、いい世界になりそうだね。
障がい者手帳を持っているという事は、本人は障がい者という目で見られてしまいます。理解のある人であれば、病気が長引いているため日常生活または社会生活に何らかの制約があるんだなという事がわかってもらえます。しかし、このような理解を得られないケースもあります。
この傾向、特に高齢者に多いと感じています。
精神障がいに限らず、身体にも様々な障がいを持っている方も多くて、パラリンピックで障がいの事についても話題になる事が多いです。しかし、古い時代を生きた高齢者の中には、「障がい者=厄介者」と決めつけているようなケースも少なくありません。
私自身も精神障害者保健福祉手帳を取得していますが、手帳を持っている事について、親はあまりいい顔していなかったりします。これだから古い時代を生きてきたオールドタイプは困ります。
オールドタイプには、精神障害者保健福祉手帳(障害者手帳)を持っていることを恥ずかしいと思い込んでいる人が多いものです。こういう誤った認識は正していくような世の中になって欲しいものです。
終わりに
精神障害者保健福祉手帳がどのようなものか、手続きの流れと、メリットとデメリットについて解説させて頂きました。
今の時代、精神障害者保健福祉手帳を取得するというのは、別に特別なものではありません。うつ病などの精神疾患をオープンにした上で就職し、配慮を受けながら就業している方も多かったりします。働き方の新しい選択肢として、最近では注目されています。と言うのも、昔から企業には障がい者雇用の法定雇用率というものがありましが、精神障害が含まれるようになったのは最近の事だからです。
精神障害者保健福祉手帳を持っている事が恥ずかしい事とは思わないで欲しいものです。そして、世間的にもっと精神障害者保健福祉手帳の存在を広めていく基盤が整っていく事を切に願っています。
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